主たる開催日時を決める
長期的にオフ会を続けるには、常連の参加者や運営スタッフを安定して確保する必要がある。自分自身も含めて、主要メンバーを一番集めやすい曜日や時間帯を固めておく必要がある。
- 日曜日か、土曜日か、平日か
- 朝か、昼か、夜か
もちろん、多様な参加者を取り込むために、ここで決めた日時だけでなく色々な日程で開催したほうがよい。以前、私が通っていたオフ会は、土日交互に開催していたが、主催者の都合で日曜に固定されるようになってから参加者が半減した。
開催地
カラオケなど、一般店舗で開催する場合には、山手線沿いこそが正義。山手線沿いの中では、各方面からのアクセスと物価を考慮してランク付けするなら、
- 新宿
- 秋葉原
- 池袋
- 渋谷
- 上野
といったところか。ちなみに、車が必要なイベントをやるなら池袋か新宿が良い。駐車料金が比較的安い。日暮里・高田馬場はアクセスが悪いが物価が安いのでおすすめ。新橋・神田駅は街の雰囲気がアレなだけでなく、カラオケ屋が異常に高いのでオフ会には向かない。
一方で、低価格を売りにしたいとか、広い会場を確保したいのであれば、山手線の少し外側が便利。例えば、
- 錦糸町~新小岩
- 中野
- 蒲田・川崎
- 赤羽
また、山手線の外側は、飲食店が都心ほど混んでいないので、突発的に二次会を開きたくなったときに便利。横浜は非常に便利だが、都市機能が横浜駅・関内・みなとみらいに分散しているため、土地勘のない人間が主催するときは要注意。大宮も安い飲食店が充実しておりオフ会向けだが、今後の再開発でどうなってしまうか、動向は注視しておきたい。
車が使えるなら、都心で参加者をピックアップして郊外や地方に行くのもあり。
ただし、コスプレ撮影会などのイベントは、そもそもできる場所が限られているので地域を気にする必要はない。場所のスペックや雰囲気を最重要視すべき。
ターゲット
これは一般的な商売にも言えることだが、あらかじめターゲット(客層)を決めてから内容を決めるのが良い。例えばカラオケ会をやるときに、大人数で歌って盛り上がりたい人を集めるか、参加者同士でコミュニケーションを取りたいかでは店の選び方も告知の仕方も当日の段取りも全く異なってくる。
カラオケ会と飲み会以外(ボードゲーム、スポーツ)は割りと適当でも人が集まってくる。カラオケと飲み会はジャンルや作品や世代を絞らないと集客が厳しい。個人的な印象では、推しに熱狂的な若い世代(特に学生)はジャンルを細かく絞り込む必要がある。年齢が上がると、仕事が忙しくなりガチの推し活ができなくなるので、ある程度ジャンルの広いオフ会のほうが参加しやすい。アニソンオフ会よりも平成ソングオフ会のほうがいいかも。
その他、ターゲットとして考慮すべき事項:
- 旅行系イベントの場合は、近距離か遠距離か
- 観光がメインか、グルメがメインか、など考慮事項は多いので旅行イベントは慎重に企画すること。
- 観光といっても史跡、自然、テーマパーク等派閥が分かれる
- 利用する交通手段も鉄道派や車派など派閥が分かれる
- ツーリングやスポーツの場合は、ターゲットのレベル(初心者か、中級者か、上級者か)
ただし、ガチガチにターゲティングをやりすぎるとビジネス臭が出てきて気持ち悪くなるので何事も程よくやるのが大事。
規模
オフ会の規模をどれくらいまで大きくしたいかは、主要参加者の間でちゃんと方向性を合わせておく必要がある。ここの意思統一ができていないと、確実に崩壊する。
- オフ会の最大参加者は何人にするか?
- 新規の参加者を積極的に受け入れるか?あるいは参加者が漸減してもいいから身内だけで続けるか?
- 最大参加者をオーバーした場合に、支部を作ったり暖簾分けしたりするか?
ルールづくり
少人数の身内限定のオフ会ではルールは堅苦しくなるから不要。メンバーが概ね10人以上になったら運営をスムーズにやるための役割分担くらいは決めておきたい。20人を超えてくると危険な人が混ざり始めてくるのできちんとルール整備したいところ。
オフ会の役割分担
少人数のうちは1人でやってしまっても良いが、イベントの内容や規模に応じて運営の仕事を分担する必要が出てくる。一般的には以下のような仕事が考えられるが、イベントの内容によって様々である。
- 企画
- 会場選び・店舗予約・渉外
- 会計・参加者集計
- 告知・広報
- 会場設営・撤収・資材運搬
運営が複数人になる場合は、TrelloやNotionなどのタスク管理ツールを導入して各担当の進捗を点検すべし。
また、タスクの洗い出しはWBSなどの一般的なプロジェクト管理手法が使える。マインドマップやブレストも適宜用いるべし。もちろんタスクに漏れがないかダブルチェックすることも重要。
その他検討すべきこと
- 他のオフ会の宣伝を認めるか?
- 他のオフ会に参加者を取られて寂れたオフ会を見たことがある。
- 主催者以外のイベント企画を認めるか?
- 主催者が忙しい場合には、主催者以外がイベントを企画できるようにするのもあり。
- ただし、企画に参加できるメンバーは絞っておいたほうが良い。
- 特に、他のオフ会に頻繁に顔を出している人間は信用ならない(他所の利益誘導のために利用される危険がある)ので企画メンバーには入れないこと。
- 主催者や運営スタッフに参加費の割引を行うか?
- 主催者が法人や個人事業主でもない限り、主催者が黒字になるようなイベントは原則やってはならない。
- 一方、運営を手伝ってくれた人に500円くらい割引をするのは全然アリ。
- ただし、小規模なカラオケや飲み会などでは、実費を上回る料金を払うことに抵抗感を覚える人が多い。運営費を取る名目は「プロフェッショナルな仕事」「普段できない体験」の対価に限定すること。
- カラオケイベントで運営側に利益が出る(「割り勘」の域を超える不平等な料金設定になる)場合や、歌い手を特別ゲストとして有償で呼んだりする場合には、JASRACに使用料を支払う必要がある。
- 運営スタッフの選び方
- スタッフは事務仕事に強い人間を選ぶべし。
- 現場で目立っている人(盛り上げ役)をスタッフに抜擢した結果、事務仕事に忙殺されてしまい盛り上がらなくなったオフ会を見たことがある。
- 盛り上げ役(パリピ)は良い場を提供していれば、放っておいても盛り上がってくれる。余計なこと(サクラを依頼するなど)をしないこと。
- スタッフ解任の基準はちゃんと作っておくこと。スタッフがオフ会に顔を出さなくなったのに権限だけいつまでも握っていて企画が動かなくなった例がある。
- 参加者同士の人間関係について
- ストーカー防止の観点から、参加者同士(特に異性間)での連絡先交換は公開のSNSアカウントに限定しておくことが望ましい。
- 男女の料金差をつけているオフ会も多いが、料金差を広げるほど男女比が1:1に近づく一方で、「出会い目的」の参加者が増える。
- 場合によっては、コミュニティ内での古参の発言権を制限する必要もある。某大手オフ会では、古参の名前を知らなかったという理由で新参が袋叩きにされたというイジメの実例がある。その古参は数年間オフ会に顔を出していないのに。その後、そのオフ会ではLINEグループが萎縮して一気に寂れた。
- アクティビティと運営難易度
- カラオケ・ゲーム・コスプレなど、やることが決まっているイベントではあまり問題にならないが…
- 単なる飲み会や「散策」みたいなイベントは主催者のコミュ力に極度に依存するので、安易な開催は避けるべし。
- 最少催行人員
- 主催者のメンタルを守るためにも必要。最低3人か4人に設定しておくのがよい。
- 例えば、参加者が1名しか集まらなくて、その人が主催者と気が合わないと悲惨なことになる。(なったことがある)
- 気の合う参加者を確保していれば別に最少催行人員を設定する必要はない。
- オンラインイベント
- 素人がオンラインでやっていいのは会議とゲームと同時視聴だけ。
- オンライン飲み会で場を盛り上げられるのはごく一握りの人間だけだという現実を直視せよ。
- 会計報告
- 人が増えたら絶対やれ。不透明会計を疑われて運営への不信感が高まって参加者が減った会がある。
- 告知資料のダブルチェック
- イベントの宣伝は複数人でチェックすること。最低限の記載内容が漏れていると参加者が集まらない。
- 初見の参加者はわざわざ不明点を主催者に質問したりしない。不明点が生じるようなイベントは、運営が無能である危険があるため参加したくない、というのが一般的な参加者の心理であることを決して忘れないこと。